「一人社長でも加入義務があるんですか?」

佐々木さんは電話で予約を取り、指定された書類を持って年金事務所を訪れました。

「社員はいません」
「一人社長なんですが……」

そう説明すると、担当者は資料を確認しながら静かに話し始めます。

「法人の代表者として役員報酬を受け取っておられますので、厚生年金保険・健康保険への加入義務があります」

そして続けて言われた一言に耳を疑いました。

「2年分遡って、およそ400万円の保険料を納付していただくことになります」

「えっ……」

思わず声が漏れました。

「社員もいない会社ですよ?」

「一人社長でも加入義務があるんですか?」

担当者は淡々と説明します。

法人である以上、代表取締役が役員報酬を受けて会社の業務に従事している場合は、原則として健康保険・厚生年金保険の被保険者となり、社員がいるかどうかは関係ありません。

●佐々木さんは、この後さらに大きな決断を迫られることになります。後編【年金事務所で告げられた「400万円払ってください」…税理士の忠告を聞き流した社長に降りかかった“思い込みのツケ”】で詳しくご紹介します。

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