根強い人気の「のむラップ・ファンド」は8%リターン

足利銀行の売れ筋ランキングトップは野村アセットマネジメントが設定する「のむラップ・ファンド(積極型)」で、世界の株式、債券、不動産(リート)を投資対象としたバランス型ファンドだ。リスク管理を徹底することによって、足元の状況のように株価等の市場価格が大きく動く不安定な市場になっても安心して投資し続けられるファンドとして人気がある。4月1カ月のリターンは8.18%、4月末時点で1年のリターンは32.35%となっている。

世界の株式市場は2月末に勃発した米国とイスラエルによるイラン空爆で始まった中東緊張によって大混乱を経験した。3月に急落し、4月は3月の下げを取り戻す反転上昇相場になった。5月になっても紛争終結の道筋がはっきりしない状態が続き、原油価格は1バレル=100ドル近い高値に張り付いたままだ。下がらない原油価格が世界のインフレを助長すると、世界的に金利上昇が続く。金利上昇は株式市場にとっては逆風で、特に、グロース株(成長株)の足を引っ張る傾向が強い。このような市場環境から予見されるのは、株価の急落局面だ。紛争終結が整えば、一時的には株高になるだろうが、はたして原油価格は1バレル=60ドル台という紛争前の水準に戻るのだろうか? 

また、米10年債で4.7%、ドイツ10年債は3.2%、そして、国内10年債は2.8%という水準にまで上がってきた金利は、紛争前の米国4.0%、ドイツ2.7%、日本2.1%という水準に戻るのだろうか? これからの展開を考えると、株式市場に慎重になり、「のむラップ・ファンド」が選ばれやすそうな環境にみえる。しかし、こういったファンドのリターンは8%程度だ。特定の成長株に集中投資すれば、13%前後のリターンが得られているので、そちらも捨てがたい。足利銀行の売れ筋からは、そのような迷いが読み取れるようだ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩