一括受取VS分割受取、論争に終止符を打つ⁉

蘭丸 一時金か年金か、どちらが得かという論争がありますよね。一時金については、退職所得控除内のDC資産であれば税金がかからないので得だとはよく聞きます。ただ個人的には、DCで安定収入を確保したいのか、税金や社会保険料の差で考えるのかは人によって異なるので、一概にどちらが得とはいえないと思います。

井出 これまで説明してきましたが、リタイア後の収入の一部としてDCを活用するなら、運用しながら年金形式で取り崩せる仕組みがあります。一方、一括受取の場合は手持ち資金として自分で管理して取り崩すことになります。受け取り方やタイミング、年金以外の所得、保有資産は人それぞれ異なりますので、DCをどう活用したいかで検討いただければと思います。年金受取の場合、開始後も残りの資産を投資信託や定期預金で運用しながら受け取ることができる点は大きなポイントです。

自分で運用できる人もいる一方、病気やけが、あるいは認知機能の低下といった健康面のリスクは誰にでもあり得ます。多少税金がかかっても、年金受取で安定的な基盤を作っておくという考え方も一案です。一括受取と分割受取に一律の正解はなく、考え方や好みによるところが大きいでしょう。

米子 結局、DC資産をどう活用したいかによって受け取り方や受取時期を検討すべきということですね。年金以外の所得や保有資産にも個人差がありますし。

井出 ヒントとして、3つのケーススタディをご紹介します。