パーソナリティ(性格特性)とは
本アンケート調査の特色の1つとして、パーソナリティへの着目があるため、まずパーソナリティについて簡単に述べておきたい。
パーソナリティは、心理学において「性格」と訳されることが多い用語である。パーソナリティを測定する手法として代表的なものにBigFive(Goldberg,1990)※3がある。BigFiveとは、人間が持つ様々な性格は、開放性(Openness)、誠実性(Conscientiousness)、外向性(Extraversion)、協調性(Agreeableness)、神経症傾向(Neuroticism)の5つの因子で説明できるとする心理学の理論である。パーソナリティの捉え方は類型論と特性論の2つに大別されるが、BigFiveは特性論の一種である。類型論は「あなたは○○タイプ」とカテゴリ分けし、質的に理解しようとするものだが、特性論は「あなたの○○特性は3、△△特性は1、□□特性は5」など特性ごとにパラメータで表現するもので、量的な程度の差によって個人差を把握しようとする。様々な性格検査がこの5つの因子のいずれかに含まれる、もしくは関連付けられることが示されており、BigFiveの手法は広く支持されるようになった。
※3.Goldberg,L.R.(1990).AnAlternative“DescriptionofPersonality”:TheBig-FiveFactorStructure,JournalofPersonalityandSocialPsychology,59(6),1216-1229
BigFiveの各因子の特徴
*開放性は経験への開放性、誠実性は勤勉性、協調性は調和性、神経症傾向は情緒不安定性とも呼ばれる
『投資初心者』と『投資に関心のある未投資者』におけるパーソナリティの比較
『投資初心者』と『投資に関心のある未投資者』の間に、パーソナリティの差はあるのだろうか。またパーソナリティに差があるとしたら、パーソナリティによって「投資家への壁」の高さが異なる可能性はないのだろうか。
5つの因子ごとに『投資初心者』と『投資に関心のある未投資者』の差を表したのが次の図である。
『投資初心者』と『投資に関心のある未投資者』の5因子比較
*BigFiveを測定した設問と選択肢は、こちらを参照
『投資初心者』と『投資に関心のある 未投資者』の「高い」割合の差
両者を比較すると、「開放性」「誠実性」「外向性」の3因子において、大きな差は見られなかった。一方、「協調性」「神経症傾向」の2因子において、『投資に関心のある未投資者』が『投資初心者』よりも高い傾向にあることが確認できた。つまり「投資家への壁」が協調性の高さと神経症傾向の高さに表れていると考えることができそうだ。
まわりの状況を思いやれるような協調性が高い人、先のことを悪い方も含めて想像し心理的なストレスを抱えやすいような神経症傾向が高い人は、投資への第一歩を踏み出しにくくなっていると推察される。



