前に進んでいく子どもたち
元から人見知りをしない竜星は、すぐに友達もでき、毎日楽しそうに小学校へ通う日々を過ごしていた。ランドセルの色のことには触れられていなかったが、楽しそうにやっているのだろう。
ある日、楓がスーパーで買い物をして自転車で帰っていると、向かい側の歩道を小学生たちが引率の先生といっしょに集団下校しているのが目に飛び込んできた。もうそんな時間かと手元の時計を確認した楓が思わずその場に立ち止まってしまったのは、集団下校の輪のなかに少し大人びた表情で楽しそうに友達と話している竜星の姿もあったからだ。
竜星の赤に、青、オレンジ、そしてピンク。どの男の子たちもみんな自分の好きな色のランドセルを背負っている。しかし子どもたちの誰一人として人のランドセルの色なんて気にせずに楽しそうにふざけ合っている。
竜星たちはとても楽しそうにどんどんと前に進んでいく。そんな光景を楓は立ち止まったまま見つめていた。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
