5.おわりに

前編では、長期の資産形成を「購買力の確保」という目的から捉え直し、インフレ環境下では、見かけの安定(元本保証)よりも、実質的な維持・成長(短期の変動を許容しつつ長期での成長を目指す)という視点が重要になり得ることを確認した。

そのうえで、個人投資家が投資期間を確保しやすい「時間」というアドバンテージを有していること、分散投資の留意点、ならびに長期投資においては株式クラスのリターンが相対的に優位であることを整理した。

また、個人が実際に株式へ投資する場合を想定して行った、インデックスファンドのモンテカルロ・シミュレーションにおいては、長期の積立投資が資産形成に資すること、積立投資の開始時期の違いが必要拠出額に大きな差として現れ得ることが示唆された。

後編では、個人が投資を行うにあたって直面しやすい論点として、タイミング投資(暴落待ち・損切り・利益確定)の是非、投資における現金比率、住宅ローンとの向き合い方を取り上げ、長期データに基づく検証を通じて、実務的な判断軸を提示していく。

なお、本稿における意見にかかわる部分および有り得べき誤りは、筆者個人に帰属するものであり、所属する組織のものではないことを申し添えます。

(執筆:MUFG資産形成研究所 研究員 落合哲宏 小澤良祐)

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