ハローワークに行くことに
耕一郎さんはその後退職前に、会社からも失業給付の手続きについて案内があり、退職後実際にハローワークに行くことになりました。退職後にすぐ年金の繰上げ受給をするのはやめて、失業認定を受けて失業給付を受給することにしたのです。
そして、失業給付240日分の受給が終わり、しばらく経った62歳になってから、あらためて繰上げの手続きをすることになりました。
62歳の繰上げ開始時点での減額は14.4%(0.4%×36月)になります。61歳の時と年度が変わって繰上げ前の元の年金額が少し上がったことも影響し、実際の繰上げ減額後の年金は190万円を超える額となったのです。
「失業給付があったので、年金の減額が少し抑えられたな」「繰上げしてから失業給付を受け取り始めていたら調整されてしまったろうな」と退職前に事前に繰上げについて相談してよかったと思いました。
繰上げの注意点の確認を
繰上げ受給制度には、繰上げする月数に応じた減額があります。しかし、注意点は減額そのものだけではありません。気を付けたい注意点の1つとして、今回のような失業給付(基本手当)との調整制度があります。
これまでの年金制度改正により、繰上げの減額率が0.5%から0.4%になったり、在職老齢年金制度による在職中の年金の調整基準も緩和(2025年度の51万円基準から2026年度の65万円基準へ)されたりしました。その結果、在職中に繰上げをした場合、「年金と給与の合計額が多くなった」「年金と給与が同時に受けられやすくなった」と言われるようになっています。
ただ、そうした在職中に繰上げをした場合でも、その後65歳までに失業する可能性がゼロではありません。繰上げ後に退職して失業給付(基本手当)を受けられるようになると、せっかく繰上げした年金について調整されることがあるのです。
繰上げには障害年金の請求ができなくなることがあるなど他にも注意点があります。繰上げをする場合は自身に該当しそうなその注意点を全て理解したうえで、手続きをしましょう。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
