<前編のあらすじ>

耕一郎さんは61歳。長年勤めてきた会社は60歳で定年を迎えましたが、その後も1年契約の嘱託社員として引き続き勤務していました。

65歳まで、最大5年間勤務できるはずでしたが、会社の経営が急に悪化し、人員整理が必要になりました。

嘱託社員の耕一郎さんは整理の対象となり、たった1年で契約終了になってしまいます。

生活のために年金の繰上げ受給を考えた耕一郎さんでしたが、年金事務所の職員から引き留められてしまいました……。

●前編:【「年金の繰上げ受給は待ってください」と年金事務所に引き留められた…「来年から無職決定」60歳嘱託社員が告げられた「注意点」】

 

失業給付との調整がある

繰上げ受給をすると老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に減額されたうえで受給を始めることになります。

年金事務所の職員は耕一郎さんに対し、詳しくはハローワークで聞くことを勧めたうえで、失業給付(基本手当)が受給できるはずだと伝えます。

ただその基本手当を受給すると、繰上げ受給した年金のうち老齢厚生年金が支給停止になってしまいます。せっかく老齢厚生年金を繰上げで受給しても、基本手当の受給が終了するまでは受け取れないことになります。

基本手当は日額で計算されることになっていますが、耕一郎さんの場合、どうやら基本手当は240日分、つまり8カ月分相当が受給できそうでした。そして、その額は日額5000円以上になりそうで、日額換算の繰上げした年金よりも多い額となります。

耕一郎さんは「失業給付が受けられるのか。会社に勤めている間、雇用保険料は何十年も払ってきたし、こういう時のための失業給付だな」「多少貯蓄もあることだし、しばらく失業給付で何とかなりそう」「失業給付を受け取り終わってから繰上げしたほうがよさそうだ」と思うようになります。