「円買い介入」の効果は?過去の事例と現在の市場状況から分析
足元では再び159円台まで円安が進んでおり、為替介入の可能性も高まっています。そこで過去の介入を振り返るといくつかの特徴が挙げられます。
2022年以降、大きく分けると4回の為替介入が行われました。この内、2022年9月や2024年4~5月の為替介入の後もドル円は続伸しています。この局面ではドル指数が上昇または横ばいで推移しています。
一方、2022年10月および2022年7月の介入後は、ドル円相場が20円近くも下落しましたが、いずれの局面でもドル指数そのものが下落していることがわかります。つまり、円買い介入の効果はその時のドルの地合い次第と言えそうです。
その点、現在は有事のドル買いが進行中ですから、円買い介入の効果はかなり限定的なものにとどまりそうです。反対にドル安局面における円買い介入は非常に大きな効果を発揮してきました。
従って、例えば来週にもイランとの停戦が決まったり、ホルムズ海峡の安全な航行が確保され、原油相場が下落すれば有事のドル買いが剥落すると考えられます。こうしたタイミングでの円買い介入のインパクトは大きくなるでしょう。
もっとも2024年の場合、投機筋の円売りのポジションが過去最大規模にまで膨らんでいました。当時、為替介入によってこうした円売りの手仕舞い、即ち円買いが活発化したこともドル円の下落を後押ししました
。その点、現在投機筋の円のポジションはほぼ中立ですから、仮にドル安局面と合わせた円買い介入があった場合も20円もの調整がなされるとは限りません。このほか過去の介入はその前に介入が行われた水準を超える円安が進んでから実施されてきました。このため次回の為替介入も実際に実施されるのは160円台に入った後と考えられます(スライド8)。
1月23日に米国の通貨当局がドル円のレートチェックを実施したことから協調円買い介入の可能性も意識されています。ただベセント財務長官は否定的なコメントを発しています。米国は経常赤字国でもあり、不足している資金について海外投資家による米国債投資に依存しています。その為にはドルの安定が重要と言え、ドル安を誘発しかねない円買い協調介入に踏み込む可能性は低いと考えられます(スライド9)。
