「有事のドル買い」続く市場、止まらない円安の背景

今回は、「利上げと介入で円安は止まるか」について解説します(スライド1)。

 

今週も原油相場の高止まりが続き、為替市場では依然として有事のドル買いが継続しました。ドル指数は昨年来の上値めどである100目前に迫りました(スライド2)。

 

一方、円はは軟調に推移しています。年初を100としてドル円およびクロス円を指数化しますと、ほとんどの通貨で円安が進んでいます。本日、片山大臣が「米国当局と日頃以上に緊密に連絡を取り合っている」などと発言しており、やや円高方向に戻りました。尚、ユーロ円が最も弱い背景は、前回の動画で紹介した投機筋のユーロロングが影響していると考えられます。昨年3月以降、ドイツおよびEUの財政拡張への方針転換およびそれを受けたユーロ高を踏まえ、これまで投機筋は高水準のユーロロングを維持してきました。足元の地政学リスクの台頭を受け、現在そのユーロロングの取り崩し、すなわちユーロ売りが活発化していると考えられます(スライド3)。

 

長期的に見ても円は軟調に推移しています。国際決済銀行(BIS)が1月の実質実効為替レートを公表しています。これは貿易相手国に対する円の総合的な値動きを示したものです。また、内外のインフレ率の格差も勘案されており、過去との比較も可能です。1月末時点の円相場は変動相場制移行後の最安値を更新しています。ドル円こそ一昨年の高値161円95銭にまだ届いていませんが、当時よりもクロス円の円安が進んだことが反映されています(スライド 4)。