○消費者態度指数を構成する「収入の増え方」は42.5であった。2025年4月の35.7を底とする回復は明白であるが、コロナ期以前の2019年平均である42.8には届いていない。
○2023年以降の賃上げは、この間の企業収益拡大もさることながら、人手不足に起因する構造的要因が強く効いているため、持続性が高いとの見方が多く、筆者もそう判断している。一方、マクロ経済に対する深い知識を持つ特定の人々を除くと、賃上げの持続性に懐疑的な人は多いだろう。「収入の増え方」の水準が低い原因として、「賃上げは一時的な幸運」と冷めた受け止めをしている人々が相当数存在することが指摘できる。
○事実、2023年~2025年央においては、所得の増加に伴って平均消費性向が低下した。振れの大きい家計調査を基に算出しているため幅をもって解釈する必要があるが、この裏には「賃上げは一時的なので消費はせず貯蓄・投資に回そう」という消費者行動が浮かび上がる。巷ではNISA貧乏という造語も誕生し30代以下の層を中心に、投資を優先して消費を後回しにする消費者行動が注目された。
○もっとも、2025年後半以降は株価上昇や高市政権への期待感もあってか、平均消費性向には底打ち感がみられる。その点、2026年春闘賃上げ率が安心感のある結果に落ち着きそうなことは朗報。賃上げは一時的であるとして、賃上げの持続性に懐疑的な印象を抱いていた家計からすれば、良い意味で予想は外れる。もちろん原油価格の急騰は要注意だが、2026年の個人消費は底堅さを増すのではないか。
