基準は出産日・出産予定日のどちらになる?

ここで、「出産日の前月から4カ月」なのか「出産予定日の前月から4カ月」なのか、疑問が生じます。出産予定日の6カ月前以降、産前産後免除の事前の届出が可能ですが、事前に届出をしている場合は実際の出産日にかかわらず、出産予定日の前月から4カ月間が免除の対象になります。しかし、里菜さんは事前に届出をしないまま出産を迎えました。職員によると「出産予定日と実際の出産日の月が異なっていますね。事前に届出をしていなかった場合は、出産日を基準に対象期間が決まります」とのことです。

里菜さんについては「出産日(5月30日)の前月である4月分から7月分までのこの4カ月分が産前産後免除の対象です」とのことでした。7万40円(1万7510円×4カ月)の保険料を払わなくてよいことになり、産前産後免除の対象期間に既に払っていた場合の保険料は還付されることになります。里菜さんは「4カ月分は払わなくていいのか。家計的に少し助かる」と思いました。里菜さんは早速、産前産後免除の届出と既に払っていた4カ月分の保険料の還付請求をしました。

会社員の産前産後休業や育児休業で厚生年金保険料が免除される制度は既にあった中、国民年金保険料を納める人にも産前産後免除制度が設けられました。次世代育成支援のための制度とされています。対象となる人は届出を忘れずに行い、何月から何月までの保険料がその対象になるか確認しておきましょう。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。