出産後、仕事と育児の両立の大変さに直面

しかし、里菜さんは出産からの仕事復帰後、想像以上に仕事と育児の両立の大変さを味わうことになります。出産や育児でお金がかかる中、育児に時間を取られ、当分売上が大きく下がりそうです。「収入は減り、支出は増える……どうにか頑張らないといけないけど」と思う里菜さん。

ここで気になったのが国民年金保険料のことでした。「そういえば国民年金保険料って収入が減って払えない時は免除してもらえるって聞いたような……私の場合はどうにかなるのかな。私の収入が減っても夫は働いて収入があるし、ダメなのかな……」と思います。少しでも家計の負担が軽減できる方法はないかと考え、すぐに市役所の国民年金の窓口に相談に行きました。

すると早速、窓口の職員から「ご出産されたのですね。でしたら国民年金保険料については産前産後免除が受けられますよ」と告げられます。どうやら、里菜さんは国民年金保険料の産前産後免除制度の対象になるそうです。

里菜さんは「夫も働いているし、私の収入が減っても世帯収入で見たらそれなりに収入があります。それに、出産したのは5月なので何カ月も前……。今からその手続きができるんですか?」と尋ねます。これに対し職員は「大丈夫ですよ。産前産後免除は受けられますので、ここで届出をしてください」と案内を始めました。

●里菜さんが対象になった産前産後免除とは? 最終的に家計の負担はどれくらい減らせるのでしょうか。後編【約7万円免除でも将来の年金は減らない⁉ 産後の31歳女性を救った「産前産後免除制度」、通常の免除との決定的違いとは】で詳説します。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。