短期のボラティリティと長期の価値創造
AIブームは新興国市場にも影響を与えており、中国市場でもテクノロジーに牽引されている相場展開となっている。私たちはAIテーマが2026年も重要であると考え、市場に対するポジティブな見方を維持している。ただし、中国市場の見通しはまだら模様だ。住宅市場の弱さは残るが、政府の個人消費刺激策が奏功すれば経済成長は上向くと見ている。米中間の関税交渉が妥結に向かえば、中国を含むすべての地域にとってプラスとなるだろう。
AIの需要はChatGPTなどの利用状況から指数関数的に伸びており、多くの企業のトップがAI投資の必要性を認識している。ただしAI企業以外がAIへの投資を始めるのか否かが明確でない。AIセクターはエヌビディアの株価変動に見られるようにボラティリティが非常に高いのも事実だ。
重要なのは時間軸の観点だ。新しい技術が経済全体に浸透し、その恩恵が広く享受されるまでには時間がかかる。かつてのドットコム・バブル崩壊がマイクロソフトやアップルに終えんをもたらしたわけではない。株価は短期的に大きく変動するが、優れた技術が長期にわたって経済に恩恵をもたらすことは確かなことだ。短期的な株価の変動と長期的な技術革新がもたらす価値とを分けて考える必要がある。
