日本株はポジティブ、長期金利は2%程度まで上昇
日本株については非常にポジティブな見通しを持っている。日本には今後も継続するテクノロジーやオートメーションへの投資から恩恵を受ける企業が多く、円安も企業収益にとってプラスに働くからだ。日本国債の長期金利の上昇については、世界的な金利上昇の傾向と日本の金融・財政政策の転換期を迎えている点が反映されていると考えている。日銀は政策金利をもう少し引き上げる必要があると見ている。
新首相の下で打ち出された21兆円規模の財政計画は、国債の増発につながるため総合的に見て日本の10年債利回りは2%程度まで上昇する可能性があると予測している。
S&P500のバリュエーションはITバブル期に匹敵する割高感
株式市場のファンダメンタルズは極めて良好で、企業の利益率は過去2年間で上昇しており、収益性は非常に高い水準にある。AIによる生産性向上に後押しされ、主要な株式市場のほとんどで2026年にかけても力強い増益が続くと期待している。
中でも欧州株は構造的なプラス要因があることに加え、米国株に比べて割安感がある。また、テクノロジー関連投資の拡大から恩恵を受ける新興国市場にも注目している。
一方で懸念材料も存在する。一つは株式相場におけるバリュエーションの割高感だ。特にS&P500種株価指数の株価収益率(PER)は22倍と、歴史的にみても将来リターンが相当低くなる水準を示唆しており、サイクル調整後の株価水準からPERをみると1999年のITバブル以来の割高水準にある。
もう一つの懸念は、米国市場における極端な集中リスクだ。S&P500の時価総額の約半分がわずか8銘柄によって占められており、米国株での分散投資が困難になっていることを示している。
