最大のリスクは米国AIバブルが破裂するかどうか

株式市場における最大のリスクは、「AIバブルの崩壊」だ。もしAIバブルが弾ければ株式相場は大きく下落し、米国経済をリセッションに陥れるシナリオが現実味を帯びてくる。

債券市場にもリスクはある。インフレ率の再高騰や政府の財政赤字の高止まりなどだ。また、クレジット市場ではスプレッドが非常にタイトでバリュエーションが割高だ。大手テクノロジー企業によるAI関連の設備投資で負債を利用した資金調達が拡大しておりレバレッジが上昇していることも懸念点だ。急拡大するプライベートクレジット投資では機関投資家の投資も増えており、資産の質についても注視する必要がある。

2025年はコモディティ価格の上昇やテクノロジーブームに後押しされ、株式、債券市場ともに良い年となった。2026年もこの傾向は続くとみるが、米国一辺倒ではなく米国以外の市場を含む、よりバランスの取れた市場展開が訪れると予測している。世界が抱える生産性の問題や気候危機といった課題にAIや再生可能エネルギー、脱炭素化といった解決策が多くの投資機会を提供するだろう。