iDeCoの掛金も「変えない」が最多
同様に、iDeCoの掛金についても見ていこう。
確定拠出年金の拠出限度額の引き上げによる変更意向(iDeCo) (70歳未満確定拠出年金加入者)
iDeCoについても「変えない」が46.4%と最も多く、「増やす」が17.1%、「減らす」が1.8%となった。マッチング拠出と比較すると、「増やす」という回答がやや多い傾向が見られる。年代別では、「増やす」が最も高いのは40代(20.0%)、次いで30代以下(17.8%)、50代(17.1%)となっており、以降は年代が上がるにつれて増やす意向は減少する。
「変えない」と回答した割合は、60~64歳が51.0%と最も高く、30代以下が47.9%、40代が46.3%、50代が44.4%、65~69歳が38.8%となっている。
拠出限度額引き上げへの対応の違い
確定拠出年金の掛金上限が引き上げられることが決まったが、現時点では多くの人が現状維持の傾向にあるようだ。しかし年代別に見ると、若い層ほど増やす意向が強く、将来の資産形成に対する積極的な姿勢がうかがえる結果となった。
企業型のマッチング拠出とiDeCoでは、iDeCoの方が掛金額を増やす意向が強い結果となった。個人の裁量でより自由に運用できるiDeCoの特性が反映されているのかもしれない。
確定拠出年金制度は公的年金を補完する老後資金の準備法として注目されている。実際に上限額が上がるのは2026年12月の法改正により翌2027年1月の口座引き落とし分からの予定であり、まだ先ではある。
事実、「わからない」という回答が一定数あることから、今後の回答には変化があるだろう。気になる老後資金の準備に確定拠出年金制度をどのように活用していくか。ライフプランや資産状況に合わせて慎重に検討する必要があることに変わりはない。
調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の18 歳以上の有価証券保有者5000 人

