オープンAIとも協業を開始 注力のデータセンター事業は花開くか
日立製作所の「選択と集中」で注目したいのがデータセンター事業への取り組みです。同社は25年10月、AIの有力企業であるエヌビディアやオープンAIとの協業を相次いで発表しました。
エヌビディアとの協業はデータセンター向け電源です。エヌビディアは、次世代のAIデータセンター向けに直流電源インフラの構築を推進しています。従来の電源システムは想定する計算負荷が小規模で、負荷の大きいAI向けでは課題となっています。この解消を目指すのがエヌビディアの構想です。27年からの移行に向け開発を主導しており、日立製作所も実装を支援すると公表しました。
オープンAIとの提携もデータセンターに関するものです。AIデータセンターの拡大に向け、両社は覚書を締結しました。日立製作所は送配電インフラやデータセンター内の冷却設備やストレージ機器などの提供を、オープンAIはLLM(大規模言語モデル)の提供を検討することで合意します。
日立製作所のエナジー事業は、電力系統における送配電や高圧直流送電といった川上が中心で、データセンターのような電力の消費側となる川下は手薄です。データセンター事業が成長すれば、同社の新しい収益源となるかもしれません。