執拗な勧誘はあったか?
今回調査から新たに金融機関の勧誘姿勢について「商品の提案等の執拗な勧誘があった」という項目が追加された。この項目に「あてはまる」「どちらかというとあてはまる」と回答した人はわずか13.8%にとどまっており、多くの投資家は執拗な勧誘を受けていないと感じていることが分かる。
ただし、この項目も取引方法による違いが見られ、対面取引では21.8%が執拗な勧誘を受けたと感じているのに対し、インターネット取引では12.5%と約9ポイント低くなっている。これはインターネット取引の特性上、対面での勧誘機会が少ないことが反映されているだろうことは想像に難くない。
利便性やサポート、何を重視するか
今回の調査結果からは、商品説明や提案内容、アフターフォローといったサポート面を中心に対面取引の方が満足度が高いという実態が浮かび上がってきた。特に「商品購入後の情報提供等のアフターフォロー」の満足度が対面取引で45.9%、インターネット取引で24.5%と大きく差がついていることは投資後のサポートにおいて対面取引の優位性が高いことを示している。
結果からは、金融機関の選び方には手数料の安さや手続きの簡便さだけでなく、説明の分かりやすさやアフターフォローの充実度などを総合的に考慮する必要がありそうなことがうかがえる。特に投資初心者や複雑な金融商品を検討している場合、対面取引のサポートは重要な要素になり得るだろう。一方、投資経験が豊富で自分で情報収集ができる投資家にとってはインターネット取引の利便性や低コストのメリットが大きいといえそうだ。NISA口座以外では、複数の金融機関で口座を開くことが可能だ。自身が望む取引ができそうなところをいくつか開設して実際に試してみるのも一つの方法だ。
調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の 18 歳以上の有価証券保有者 5000 人
