「満足して買いたい」「納得して買いたい」とは、投資信託だけでなくどんな買い物でも多くの人が思うことだろう。ただし日常使いの商品と投資信託が違う点は、買ってから価値が変動すること。だからこそ、どこでどんな投資信託をどうやって購入するかは悩みどころだろう。全国の個人投資家を対象に行われた調査の最新結果「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会、2025年9月公表)から投資信託を購入した人の金融機関への満足度に着目してみよう。

満足している人は約半数?

同調査では、証券会社や銀行の店頭・インターネット取引で投資信託を注文している人に金融機関への満足度を質問している。商品提案のほかリスクや手数料についての説明、アフターフォローなど6つの項目について「あてはまる」~「あてはまらない」など6段階で満足度を聞いている。

そのうち「あてはまる」「どちらかというとあてはまる」の合計を「満足度」と見ると、最も高い項目は「手数料に関する説明は、わかりやすかった」(50.0%)となった。次いで「商品のリスクや特性の説明は、わかりやすかった」(49.0%)、「商品の提案は、自分のニーズに即したものであった」(46.9%)。これら3項目はいずれも約5割の満足度となっている。

金融機関への満足度

金融機関への満足度を表した図表
 
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)
 

なお、これらの満足度は前年比でみると大きく低下している。例えば「商品の提案は、自分のニーズに即したものであった」は前回2024年の調査では66.1%だったが、今回は46.9%と約20ポイント低下。「商品のリスクや特性の説明は、わかりやすかった」も69.2%から49.0%へと20ポイント以上、低下している。特に「商品購入後の情報提供等のアフターフォローは、十分であった」という項目は、前回の52.7%から28.7%へと24ポイントも低下している。

ただし、この結果には調査における変更点が影響している。今回調査から調査対象者にインターネット取引で注文を出している人を追加しているためで、比較はあくまで参考程度にとらえるべきだろう。

ただ、逆にいえば、今回からネット取引が対象に加わったことでこれらの項目の満足度が下がっている可能性がある。特に商品提案などはネットであれば自分で探す、あるいは診断チャートなどがあれば試してみるなど、商品探しには主体性が問われる。そこに自信があれば問題ないが、ない場合は戸惑うだろう。アフターフォローなどのサポートも担当者がいる店頭取引とは違うため同様だ。いずれも満足度の判断は個人によるため難しいところがありそうだが、傾向として参考になるだろう。

●前編「【4000人のアンサー】証券投資の口座開設先は? NISA口座とNISA口座以外でどう違う? ネット証券or対面証券、それとも…」