欧州株への分散投資「テンバガー・ハンター・ヨーロッパ」
静銀ティーエム証券の売れ筋トップ10にランクインした「フィデリティ・欧州割安成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」は、人気の高いファンドである「フィデリティ・世界割安成長株投信」(愛称:テンバガー・ハンター)の欧州版ともいえる、投資先を欧州地域に限定したファンドだ。投資対象を日本に限定した「フィデリティ・日本割安成長株投信」(愛称:テンバガー・ハンター・ジャパン)が2024年1月19日に設定され、欧州版が2025年4月30日に設定された。
テンバガー(10倍株)が狙える成長期待株に割安な水準で投資するというファンドだが、設定来のパフォーマンスでは、グローバル株式に投資する「インベスコ 世界厳選株式オープン」や世界の様々な資産に投資し直近では株式とゴールド(純金)に主に投資している「ピクテ・ゴールデン・リスクプレミアム・ファンド(愛称:ポラリス)」に見劣りする運用成績になっている。欧州という地域に限定したことの限界も感じられるが、まだ運用が始まったばかりであり、地域の成長性についての評価はこれからだろう。そして、全世界の株式に分散投資しているファンドでも、実体としては米国株式がポートフォリオの中心であり、米国株式市場の動向からパフォーマンスは強い影響を受けている。欧州株だけに特化していると米国株とは明らかに異なるパフォーマンスの特性があるようにみえる。米国株式とは異なる値動きをするファンドとして分散投資のツールの1つになりそうだ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

