想定外への“備え”を考える
将来起こるイベントは、自身が選択できるものだけではありません。恋愛・結婚についても、居住地や子どもの進路などについても、想定していないことは数多く起こります。そのようなときに「想定していなかった」ことで、家計が立ち行かなくなることは避けなければなりません。
人生の経営者として心得ておきたいのは、想定外のイベントへの対応を余儀なくされることも踏まえ、家計のレジリエンス:resilience(危機対応力)を高めておくことです。単線的なライフプランではなく、主要シナリオから外れる複数パターンも想定に入れておくことをおすすめします。
「家計のレジリエンス」の観点では、家計を支える役割を担っている立場の方ご自身に万が一の事態が起こった際の「リスク管理」も重要です。扶養している方がいる場合、自身が万が一亡くなったり、働けなくなったりした場合に対する金銭的なセーフティネットが必要となるでしょう。
万が一への備えは、基本的には国の制度(公的年金制度、公的医療制度など)が用意されているので、それらを活用することが前提です。そのうえで、会社の制度(団体保険や健康保険組合の制度)などをチェックしておきましょう。そのため、公的な制度や会社が用意している有利な福利厚生制度に対する理解を深めておくことが重要です。
それでも不足する備えは、民間の保険商品でカバーすることになります[図表5−6]。
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編 ウェルビーイング学会/ファイナンシャル・ウェルビーイング分科会
発行元 一般社団法人 金融財政事情研究会
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