老後の資金も不安だけど、結婚・子育てや家の購入など今の暮らしにもお金はかかる…。

そんな悩みを抱える30代~40代は少なくないでしょう。老後も楽しく暮らすために、何が必要なのでしょうか?

経済的な幸せを示す「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の観点から、専門家が解説します。(全4回の2回)

※本稿は、ウェルビーイング学会/ファイナンシャル・ウェルビーイング分科会編『よくわかるウェルビーイング&ファイナンシャル・ウェルビーイングQ&A~快適な『お金』との関係を実現するために』(一般社団法人 金融財政事情研究会)の一部を抜粋・再編集したものです。

パートナーは“共同財務責任者”

30代・40代では結婚・子育て・住宅購入など、パートナーと共同で乗り越えていくイベントが多く出現する時期です。では、自身を「人生の経営者」として捉えたときに、パートナーや家族を人生の経営に対してどのように位置付ければ良いでしょうか。

自身を「最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)」と捉えれば、家計運営に関して「最高財務責任者(CFO:Cheif Financial Officer)」が必要です。独身世帯であれば、自身がCEOとCFOを兼ねていることになります。もちろん、パートナーも自身の人生のCEOです。パートナーと一緒に生活をすることとなれば、お互いの人生経営において、家計を少なからず共同で運営していく必要が出てきます。

家計を健全に運営するためには、パートナーを「共同財務責任者(Co-CFO)」として捉えることが必要になります。たとえば、片方が一生懸命に仕事をして、将来のために資産形成をしようとしても、もう一方の金遣いが荒ければ経営は成り立ちません。また逆に、定期的な旅行や記念日はお金をかけて、お互いの人生のウェルビーイングを実現したいと思っていても、家計の把握が漠然としていると、「こんなに使っていいのだろうか」と不安が助長され、満足な支出ができないかもしれません。

まずはパートナーとお金の価値観をすり合わせ、どのような事業方針を取るかを確認しましょう。主なポイントをご紹介します。