老後の資金も不安だけど、結婚・子育てや家の購入など今の暮らしにもお金はかかる…。そんな悩みを抱える30代~40代は少なくないでしょう。

老後も楽しく暮らすために、何が必要なのでしょうか?

経済的な幸せを示す「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の観点から、専門家が解説します。(全4回の1回)

※本稿は、ウェルビーイング学会/ファイナンシャル・ウェルビーイング分科会編『よくわかるウェルビーイング&ファイナンシャル・ウェルビーイングQ&A~快適な『お金』との関係を実現するために』(一般社団法人 金融財政事情研究会)の一部を抜粋・再編集したものです。

30代・40代はライフイベントがたくさん

30代・40代は、一般的に大きなライフイベントを多く迎える時期といわれます。人生の三大資金である「住宅購入資金」「教育資金」「老後資金」のうち、住宅と教育に関するイベントを経験される方も相応な割合となります。

一方で、人生が多様化するなか、周囲の同年代の知り合いと「ライフイベントの歩み方」が異なることも多くなるのではないでしょうか。実際、[図表5−4]のとおり、30代・40代は、4〜5割が既婚、3〜4割が同居の子ども有、住まいは3〜4割が持ち家です。このように、人生の三大資金に関わるイベントの発生状況も大きく異なります。

このように、ご自身の状況が周囲と異なってくると、一般的な悩みというよりは、「自分の場合はどうすればよいの?」という個別性の強い悩みも増えてきそうです。この時期においてファイナンシャル・ウェルビーイングを実現するには、どのようなことに留意しておくことが望ましいのでしょうか。