「ゴールド」「225」の人気上昇
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の9月の売れ筋ランキングに新たにランクインした「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」と「三菱UFJインデックス225オープン」について、2020年1月から2025年10月までの約5年間のパフォーマンスをみてみた。そうすると、2025年に入ってから「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」が突出した運用成績になっていることが明確になった。
起点(10,000)を2019年12月末に置くと、2024年12月末までは「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」と「オルカン」は、ほぼ同じような成績だった。2024年12月末時点で「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」は23,645、「オルカン」は23,591だった。ところが、10月7日時点では「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」は33,570になり、「オルカン」の26,599を大きく引き離している。「オルカン」など株式ファンドは4月の株価急落で大きく下落したことに対して、「ゴールド」は一貫して上昇し続けたことが結果的に大きな差になったといえる。
ただ、9月から10月にかけてのゴールド価格の上昇は異様だ。このゴールド価格上昇が市場の一部でいわれるような「通貨(特に米ドル)に対する信認の低下」を背景にしているものであれば、いずれは株価にもゴールド価格そのものにも大きな波乱を含んでいるように感じられる。NY金先物価格が史上初めて4000ドルの大台を突破している。今後の推移を慎重にみていきたい。
「三菱UFJインデックス225オープン」は「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」と比較すると現状の水準は大きく見劣りしているが、2024年2月時点では「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」と肩を並べる局面もあった。現在の格差は大幅な出遅れともいえる。「オルカン」に対しても大きく見劣りするだけに、今後、どこまで挽回できるかを注目したい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩