“産業のコメ”と呼ばれる「半導体」、史上最高値更新中の「ゴールド」
野村證券の売れ筋ランキングの評価を高めたのは「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」と「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」だった。
「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」が投資対象とする「半導体」は、まさに現在の成長産業の象徴である「AI」の成長・発展を支える材料を提供する業界だ。半導体のことを「産業のコメ」と呼ぶようになって久しいが、国内でコメの価格が上昇しているように、産業界でも半導体の生産が需要に追い付かない状況となり、半導体価格が高止まりしている。国内のコメ価格は外国のコメの輸入拡大や小麦などでの代替が進めば価格が崩れることもあるだろうが、半導体に関しては代替がない。せいぜい現在の王者であるエヌビディアが、別の会社に地位を奪われることがあるかもしれないという変化が考えられるくらいだ。それも、このファンドにとっては業界全体に投資しているため脅威ではない。その高い成長への期待を表すかのように、同ファンドの基準価額は2024年1月から2025年10月3日までに2倍超に値上がりしている。
また、純金(ゴールド)価格は、史上最高値を更新し続けている。NY金先物価格は2025年10月になっても連日、史上最高値を更新し続けて株式に勝る上昇率をキープしている。現在の社会は、米ドルやユーロなど伝統的な通貨に対する信認の低下が顕著になっている。コロナショックでの財政出動など各国の財政は従来の限界を超えて悪化しており、各国中央銀行の財務リスクが強く意識されるようになっている。このため、純金(ゴールド)や暗号資産などへの資金流入が活発になり、足元では米国の利下げ期待の高まりが純金(ゴールド)の資産価値を押し上げる効果が顕著になっている。米国では年末までに利下げのフェーズにあるとされており、当面はゴールドの強気局面と考えられている。
執筆/ライター・記者 徳永 浩