一度延期になっていた「楽天iDeCo」の銘柄入れ替え、再び発表

5月15日、楽天証券を運営管理機関とする「楽天iDeCo」が、運用対象ファンドの除外を発表しました。

現在、iDeCoや企業型DCなどの確定拠出年金は、運用対象ファンドの本数に上限が決められています。当時の楽天iDeCoは36本のファンドが運用対象となっていましたが、そのうち9本を除外すると発表しました。

しかし、これに対して思いのほか、異議が上がりました。

まず、この9本のなかに、純資産総額の規模が大きく、個人の人気が高いセゾン投信の「セゾン資産形成の達人ファンド」が含まれていたことが、話題になりました。

このファンドは「R&Iファンド大賞」を12年連続、「LSEGリッパーファンドアワード」を11年連続で受賞するなど一定の評価を得ています。9月29日時点の純資産総額は4000億円に達していますし、2025年9月29日時点における運用成績を見ると、2007年3月15日の設定来のトータルリターンは371.21%で、楽天証券のファンド分類における平均リターンの282.31%を大きく上回っています。そうであるにもかかわらず、除外対象に挙げられたのです。

ちなみに除外になったとしても、楽天iDeCoで運用を続けることはできますが、毎月の拠出ができなくなるため、除外ファンドで運用している人は、それ以上、そのファンドに資産を積み上げることができなくなります。実際問題、楽天iDeCoを通じて「セゾン資産形成の達人ファンド」を購入していた人は結構いたので、この措置に対する反対の声も多数上がりました。

楽天証券側も、思った以上に多くの反応があったことに驚いたのかもしれません。除外予定の案内ページを非表示にすると同時に、異議申し立て期間の先送りを決定しました。除外対象ファンドの運用会社に対して、丁寧な説明が必要という判断も働いたのでしょう。楽天証券の担当者が、除外対象ファンドの運用会社とメール、面談によって説明を行ったうえで、9月19日に改めて「運用商品入替についてのご案内」としたお知らせを、楽天iDeCoのサイトで告知しました。