9本の除外対象銘柄が明らかに
結果は、除外対象が9本でした。
5月時点で除外対象に入っていなかったファンドが2本加わり、同時に5月時点の除外対象のうち2本が、今回は救済された形です。
これは5月時点と今回とで、除外対象の選定基準が若干変わったためだと思われます。5月に除外が発表された時の選定理由を読むと、「ファンドの残高・拠出金額および受益者数が弊社基準を下回ったため。また除外ファンド選定時のパフォーマンスが基準を下回ったため」、「同分類で除外ファンド選定時のパフォーマンスが、基準を下回ったため」、「同分類で低コストインデックスが存在するため」などと公表されていましたが、何をもって「基準」と言っているのかがよくわからず、そこに若干の不透明性を感じた人は、少なくなかったようです。
そこで、9月19日に公表された除外対象ファンドについては、完全な定量分析に基づいた選定基準を打ち出してきました。それは「楽天証券ファンドスコア(5年)の24カ月ローリング平均値が2.5未満」というものです。
ローリングリターンとは、たとえば2025年9月末時点の過去5年間のファンドスコア、2025年8月末時点の過去5年間のファンドスコア、2025年7月末時点の過去5年間のファンドスコア、というように、1カ月ずつ24カ月分をずらして、それぞれの過去5年間のファンドスコアの平均値を取ったものです(※なお、今回の除外対象の選定は、基準日:2025年6月30日で行われた)。
ただ、この基準が合理的かどうかは何とも言えません。
24カ月分のローリングリターンとはいえ、5年間のファンドスコアで評価するということは、評価の対象は約7年弱の平均値になります。となると、「セゾン資産形成の達人ファンド」のように、設定来では分類平均を大きく上回るリターンを実現しているファンドでも、直近5~7年のリターンが分類平均を下回ると、途端にファンドスコアが悪化して除外対象になってしまうケースが生じてきます。
しかしiDeCoは5~7年前後のリターンで考えるものではなく、20年、30年という長期目線で運用していく制度です。それを考えると、「5年ファンドスコアの24カ月ローリング平均値」で除外対象を選定するのは、いささか乱暴ではないかと思うのです。