今期計画は保守的 4~6月は赤字拡大、中間以降に巻き返し

最後に今期(26年3月期)の見通しを解説します。前期までの成長は一服し、売上高は微増、営業利益は横ばいを見込みます。なお、純利益は大きめの減益の予想です。不透明な事業環境および前期に生じた品質不適切行為の影響から営業外損益を保守的に見積もったこと、同じく前期に生じた一時的な税費用の改善がはく落することが主な要因です。

【カナデビアの業績予想(26年3月期)】
・売上高:6200億円(+1.6%)
・営業利益:270億円(+0.2%)
・純利益:160億円(-27.6%)
※()は前期比
※同第1四半期時点における同社の予想

出所:カナデビア 決算短信

今期の第1四半期は増収減益でした。売上高は前年同期比3.2%増だった一方、営業利益は40.6億円の赤字(前年同期は8.8億円の赤字)、純利益は36.3億円の赤字(同28.1億円の赤字)と、赤字幅が拡大します。主力の環境セグメントが高採算案件の減少などから収支が悪化したほか、全セグメントが減益で着地しました。

なお、カナデビアは完成工事が年度末に集中することから、利益は第4四半期に偏重する傾向にあります。第2四半期以降の回復を見込み、通期の見通しは据え置かれています。第2四半期の決算は例年11月上旬に公表されています。