中古品消費の拡大と節約志向の進化
物価が上がれば、「賢く買う」ことを考えるのが消費者の常かもしれない。その代表例が中古品だ。調査からは、若年層ほど中古品への抵抗が少なく、積極的に利用していることが分かっている。スマホのフリマアプリなどを使って簡単に売買できる環境が整備されたことなどが大きいと考えられる。
中古品消費への受容度
また、節約している分野が多い人ほど中古品への関心が高く、特に4分野以上で節約している人の約6割が中古品消費に前向きなことも判明した。物価上昇を強く感じている家計ほど、中古品を選ぶ傾向があることも確認されている。
節約志向と中古品消費の意向
中古品消費はGDP統計には反映されにくいが、消費者の満足度(効用)という観点からみると、売る側にとっては不要品の処分であり、買う側にとってはお得な買い物である。環境に配慮したエシカル消費の観点からも中古品は循環型経済に貢献する存在として注目されている。
新品の代わりに中古品が選ばれることでGDP統計上の個人消費は減少する可能性はあるが、中古品消費の動向を把握することは今後ますます重要になる。中古品市場が拡大する一方で、売買トラブルなどの抑止も同様に必要とされるだろう。
調査概要 白書名:「令和7年度年次経済財政報告」 調査主体:内閣府 公表日:2025年7月29日