物価上昇率と景況感の微妙な関係
調査では「現在の景気の状況は良いと思うか、悪いと思うか」という質問も行っている。
結果、実感または予想物価上昇率が高まるほど、景気が悪いと認識する消費者の割合が高まっている。グラフから分かりやすい例を見てみると、実感・予想とも物価上昇率が「20%以上上昇」との回答では、景気が悪いと認識する人が4割近いといった結果になっている。
実感・予想物価上昇率と景気認識
このようにグラフは物価上昇と景況感悪化の関係を分かりやすく表している。なお、物価上昇率が「0~1%」の範囲にあるときは、景況感が悪いという回答率が低い。しかし「物価は変わらない・低下」では、逆に景況感が悪いとの回答が増加するという興味深い結果も出ている。
つまり消費者にとっては「少しだけ物価が上がる」くらいがちょうどよく、それ以上になると財布のひもが固くなる。現在はその「ちょうどよさ」を超える物価上昇が続いており、消費意欲を冷やす要因となっていると白書では分析している。