日本初のグローバル株アクティブETF「ベストAI」の投資戦略は
「ベストAI」を上場・運用するブラックロックは、2025年6月末時点の運用資産残高がグローバルで約12.5兆ドル(約1810兆円)に達する世界最大の運用会社だ。また同社はETFブランド「iシェアーズ」を手がけ、世界最大のETFプロバイダーとしても知られている。
「現在、ETFの市場規模は全世界で約16兆ドル(約2300兆円)で、今後25兆ドル(約3600兆円)まで拡大すると見ています。当初、アクティブETFは、ミューチュアルファンドの分野でアクティブ運用を手がけてきた運用会社が優勢でしたが、iシェアーズのアクティブETFも近年、成長してきており、その残高は約65億ドル(約9500億円)となっています。なお、ベストAIは2024年からの運用開始ですが、特定のテーマに投資するアルファ追求型のETFとしては、世界最大規模になっています」(東條氏)。
そのベストAIだが、愛称にある通り、数多く存在するAI関連の投資機会の中から、ポートフォリオ・マネジャーが「ベスト・アイデア」と判断した企業に厳選投資する。現在、世界にAI関連企業は1000社以上あるが、あらゆる業種に及ぶ企業群を「AIスタック」の「インフラ層」「知能層」「エージェント層」に分類し、AI技術の発展・進に寄与している企業にフィルタリングしたあと、最終的に40銘柄に絞り込んでポートフォリオを構築している。
ポートフォリオ・マネジャーは、過去30年にわたってテック企業に投資し続けてきたスペシャリストのトニー・キム氏で、彼が率いる運用チームは年間800社を超えるテック企業とミーティングを行い、投資先企業を見極めている。
今回、日本での商品化にあたり、公募型投資信託ではなく東証へのETF上場を選択した。その点について東條氏は「販売会社の取扱有無に左右される公募投信と違い、ETFであれば証券会社であればどこからでもアクセス可能になる」と語った。
その結果、東証に初めてグローバル株のアクティブETFが上場したわけだが、今後の国内アクティブETF市場の広がりを引き続き注視していきたい。