買い物で重視することは機能よりも価格
今後の買い物で重視することについて、変化のきざしはあるのだろうか。
今後1年間、商品やサービスを選ぶ際に特に重視すること (3つまでの複数回答)
調査結果からは昨今の物価高の影響を反映した心理がうかがえる。特に重視することとして最も多かった回答は「価格が安い」となり、前々回の調査と比較して60.4%から63.1%へと2.7ポイント増加している。
次いで「安全性が高い」(44.4%→45.9%)、「信頼性が高い」(40.1%→42.9%)と続くが、両者それぞれ1.5ポイント、2.8ポイントと半年間で徐々に増加傾向にある。
一方で、「長く使える」は43.8%から42.9%へ0.9ポイント減、「機能が良い」も31.0%から28.5%へ2.5ポイント減少。このことからは、まずは価格を最優先し、その他のことは多少目をつぶるというような消費者の意向が垣間見られる。
調査結果からは、現在そして今後1年における経済状況に対する消費者の見方が慎重さを増していること、あわせて暮らし向きの悪化もうかがえた。
特に価格を重視した消費行動が強まっていることが明確に分かる結果となり、物価高騰と支出の増加というダブルパンチの状況下に生活防衛意識が高まっているようだ。ただし8月半ば過ぎには日本株の最高値更新が続き、明るい兆しも見えている。次回の調査ではそうした影響が反映されるかもしれない。
調査概要 調査名:生活意識に関するアンケート調査(第102回<2025年6月調査>) 調査主体:日本銀行 公表日:2025年7月14日 調査期間:2025年5月1日~6月3日 調査対象:全国2016人(満20歳以上)