人手不足なのに…「雇用不安」が増加傾向

「1年後、自身の勤め先での雇用環境に不安はあるか」。日銀ではこのような質問を会社員※や公務員、パート・アルバイトなど働いている人を対象に投げかけている。その結果は、以前の調査時と比較してじわじわと悪化している傾向にあるようだ。

※役員を含む

1年後を見た勤め先での雇用・処遇についての不安(勤労者)

(図表)1年後を見た勤め先での雇用・処遇についての不安(勤労者)
 
出所:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査(第102回<2025年6月調査>)」
 

勤め先での雇用や処遇の不安については、「あまり感じない」との回答が減少し、「かなり感じる」との回答が増加している。

具体的には「あまり感じない」が24.2%と前回から3.2ポイント減少。一方、「かなり感じる」は30.7%と2.6ポイント増加。「少し感じる」との回答は44.9%となり、こちらも0.6ポイント増加している。

この結果、雇用環境D.I.(「不安をあまり感じない」−「かなり感じる」)はマイナス6.5ポイントとなり、前回のマイナス0.7ポイントから5.8ポイントも悪化した。

雇用環境D.I.の推移

(図表)雇用環境D.I.の推移
 
出所:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査(第102回<2025年6月調査>)」
 

雇用環境D.I.の推移を見ると、21年12月にプラス1.4ポイントでピークを記録した後、近年は低下傾向にある。反対にボトムは09年3月のマイナス34.7ポイントで、08年9月に起きたリーマン・ショックの影響に起因する。

●前編「1年後」「5年後」の物価はどうなると思う? 2000人の答えとその理由