2000人が答えた景気の「今」と「見通し」
日銀では四半期に一度、私たちの生活意識や行動をとらえるアンケート調査を行っている。全国の20歳以上を対象にしたその調査では、景況感、暮らし向き、物価などの実感について聞いている。その最新の公表結果から、景況感の今と将来について見ていこう。
景況感
調査結果によると、1年前と比べた景況感について、「良くなった」との回答が減少し、「悪くなった」との回答が増加した。
具体的に調査時点での半年間の推移を比較すると、2024年12月と2025年6月とでは、「良くなった」は35.9%から25.4%へと10.5ポイント減少し、「悪くなった」は59.8%から70.5%へと10.7ポイント増加した。結果的にほぼ同じ割合で「良くなった」が減り、「悪くなった」が増えている点は見過ごせない変化だ。
悪化の要因は、調査期間が25年4月のいわゆるトランプ関税の発表に世界各国がほんろうされた時期を含むためとみられる。
また、1年後の先行きについても同様の傾向が見られた。「変わらない」との回答は51.2%から46.5%へと4.7ポイント減少し、「悪くなる」との回答は42.6%から48.4%と5.8ポイント増加している。