景気の判断は身近なことから?
調査では、景気の良し悪しを判断する根拠についても聞いている。
景況判断の根拠(2つまでの複数回答)
景気の良し悪しの判断は、「自分や家族の収入の状況から」が42.8%と最も多く、次に「マスコミ報道を通じて」が39.0%となっている。そして「勤め先や自分の店の経営状況から」が24.2%と続く。
興味深い点は「マスコミ報道を通じて」が2024年12月では32.1%だったのに対し、今回の調査では6.9ポイントも増えていることだ。同じく、2024年12月と比べて増えている理由には「景気関連指標、経済統計をみて」もあるが、こちらは5.1ポイント増となっている。経済指標といったデータに基づく判断よりも、報道を通じての印象の方が人々の判断に影響を与えているように見える。このことについては私たち一人ひとりが意識した方がよいかもしれない。
一方で、「自分や家族の収入の状況から」は46.9%から42.8%(4.1ポイント減)、「勤め先や自分の店の経営状況から」は28.3%から24.2%(同)となっている。
とはいえ、多くが自身の生活や日々のニュースから景気を実感していることに変わりはないようだ。
2000人の「金利」の実感
「物価の番人」とも呼ばれる日銀は金融政策を通じた金利コントロールなど多様な手段を通じて物価の安定を目指している。調査では現在の金利水準についてどう感じているかを質問している。
金利水準についての見方
結果は、「金利が低すぎる」との回答が44.0%から39.9%へ4.1ポイント減少。反対に「金利が高すぎる」との回答は20.5%から21.2%へ0.7ポイント増、「適当な水準である」との回答は33.5%から36.5%へと3.0ポイント増加した。このことは現在の金利が低すぎるとの実感から、適当な水準であると人々が感じ始めている変化の兆しを表している。
●徐々に変わりつつある人々の実感。生活のゆとりにもじわりと影響が…。後編「生活に「ゆとりがなくなってきた」人はどのくらい増えたのか? 収入は1年前と比べてどうなったか【2000人調査】」にて詳報している。
調査概要 調査名:生活意識に関するアンケート調査(第102回<2025年6月調査>) 調査主体:日本銀行 公表日:2025年7月14日 調査期間:2025年5月1日~6月3日 調査対象:全国2016人(満20歳以上)