高まるテーマ型ファンドへの期待感
静銀ティーエム証券の7月の売れ筋でランクアップが目立っているのが、特定の資産に注目した「テーマ型」といわれるファンドだった。第4位に順位を上げた「ダイワ好配当日本株投信(愛称:季節点描)」は、テーマ型というより「好配当株」という、より広い投資対象をもったファンドだが、日本株の中から配当利回りの高い銘柄群に選別投資している。国内の経済環境は、インフレ(物価上昇)と金利上昇にある。同ファンドを運用している大和アセットマネジメントは、7月16日に発表した「ファンドレター」で「インフレ局面、金利上昇局面では高配当株が優位な傾向」として今後も同ファンドには良好な市場環境が続くと見通している。
「東京海上・世界モノポリー戦略株式ファンド(年1回決算型)」は、日常生活に必要不可欠なモノやサービスを提供する「モノポリー企業」の中で、国や地域において独占的に事業を展開する企業に注目したファンドだ。水道や電力などの公共サービスや鉄道、空港、有料道路などの交通・輸送サービス、病院、学校などの社会サービスは好不況にかかわらず安定的な収益が稼げる企業群であり、今後、米国の関税政策の影響等で世界経済が不透明になることがあっても安心して投資し続けることが可能なファンドということもできる。
「サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)」は日本を含む世界の株式市場からサイバーセキュリティに関連する優れたテクノロジー企業に投資するファンドだ。米国のテクノロジー企業への投資が中心となり、また、関連企業の株価の値動きが比較的大きいことから、ファンドの基準価額も大きく動く傾向がある。4月の株安局面で大きく売られたものの、その後の回復も大きかったが、8月に入って基準価額の上昇に一服感がある。AIの発展によって、IOT(モノのインターネット)などデジタルネットワークが一段と拡大する方向にあり、そのネットワークの拡張にともなってサイバーセキュリティの重要性はますます高まる方向にある。将来の成長が大いに期待できる分野といえ、今後のファンドの成長も期待されるところだ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩