投資信託とETFはどちらが良い?

――金への投資を始めるにあたり、身近な投資手段として、投資信託とETFという選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを教えてください。

 投資信託はこれから投資を始める方や、毎月決まった額を自動で積み立てたい方におすすめです。いわゆる「ほったらかし投資」に適しています。

ETFは、取引所の取引時間中であれば、リアルタイムの価格を見ながらいつでも売買できるので、自分の投資を細かく実現したい方に向いています。

一般的に、投資信託から始めた方が経験を積むにつれてETFに移っていく傾向があります。ご自身の投資スタイルに合わせて選んでいただくのが良いでしょう。

――最後に、個人投資家が金に投資する上での注意点があれば教えてください。

チャン 金価格は一本調子で上がり続けるわけではなく、当然、一時的に下がる場面もあります。ですから、一度にまとまった資金を投じるのは避けた方がよいでしょう。基本的には投資信託などを活用して毎月コツコツと積立投資を行い、価格が大きく調整したタイミングでETFを使って買い増す、といった方法が資産を効率的に積み上げていく上で有効だと思います。

ただし、全ての資産を金にするのはおすすめしません。金への投資は、分散効果に加え、インフレへの備えや長期的な価値の保存手段としても有効ですので、一定程度組み入れるべきだと考えています。

 金の価格は、株式のように企業業績や経済指標だけでなく、世界の地政学リスクの動向に大きく影響されるという点を意識しておく必要があります。ただ、短期的なニュースに一喜一憂して売買するのではなく、中央銀行の動向など、大きなトレンドを捉えることが重要です。