投資家は「二重のリスク」を負っている

この仕組みの問題は、投資家が「運営会社のクレジットリスク」と「不動産案件のリスク」の両方を同時に負っていることにあります。多くの投資家は案件そのもののリスクリターン(立地、賃料、市場価格変動など)に着目して投資を判断しているかもしれませんが、実際には運営会社本体の経営リスクも潜んでいます。もし二重のリスクを負っているのであれば、それに見合うだけの高い利回りが必要となるはずです。

何を確認すべきか? 倒産隔離スキームの有無をチェック

投資家としては、「倒産隔離スキーム(SPC型)」が採用されているかを確認することができます。

案件説明資料や公式サイトに「合同会社(SPC)が営業者」「倒産隔離」などの情報が記載されていることもありますが、最終的には投資に係る契約書でチェックできるはずです。営業者が誰か、資産の分別管理の有無など、契約内容そのものも確認することが重要でしょう。

本質的なリスクリターン評価を

投資の本質はリスクとリターンのバランスにあります。不動産そのもののリスクに加え「運営会社の信用リスク」も背負っている場合は、提示された利回りがそのリスクに見合っているのかを今一度、冷静に問い直すことが大切です。