参加者とともにベストプラクティスを共有

続いて受賞企業をプレゼンター、パネリストに迎えて取り組み事例の紹介が行われた。日本DCフォーラムの大きな特徴が「事業会社の取り組みに学ぶ」こと。毎年、「他社はどのように取り組んでいるのかを知りたい」と寄せられる参加者からの多くの声に応えるために、事業会社の取り組みを直接語りかけてもらうプログラムを設けている。

ガバナンス事例では「大和ハウスグループの取組事例」としてグループ間の横のつながりを意識し効果的にガバナンスを高めた具体的な方法について大和ハウス工業の例が共有された。継続教育事例では、「DCエクセレントカンパニーによる誰も取り残さない教育の工夫~理解・関心の低い人にどうアプローチするか~」としてJ. フロント リテイリング、電通総研IT、新宮運送の各社が取り組みの詳細を発表。続いて「DCエクセレントカンパニーによる多様化する加入者への対応とアクションにつなげる取り組み」として富士通/富士通企業年金基金、ヤマト運輸の取り組みの実例から学びを共有。ともにモデレーターはNPO法人確定拠出年金教育協会の大江加代理事兼主任研究員が務めた。

DCエクセレントカンパニー表彰制度は厚生労働省の後援を受けており、受賞企業は社員目線の制度運営を通じ、人への投資を熱心に行っている企業であることが示される。企業にとっての人材採用、育成のアドバンテージとなる表彰制度の一つであるといえる。毎年の開催を自社DC制度の取り組みの目標とする企業も見られるなど、制度を最大限活用して自社DC制度の高度化に取り組む企業が増加している。なお、来年のDCエクセレントカンパニーは2026年1月末からの募集を予定している。

<第14回日本DCフォーラム概要>
開催日時:2025年7月11日
主催:特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会
後援:厚生労働省、企業年金連合会、株式会社東京証券取引所(株式会社日本取引所グループ)、一般社団法人 投資信託協会
<2025年度DCエクセレントカンパニー受賞企業>
継続教育部門: J.フロント リテイリング、新宮運送、電通総研IT、富士通/富士通企業年金基金、ヤマト運輸
ガバナンス部門:大和ハウス工業株式会社