均等ウェイトで挑む、「真価を問う」日本代表
しかしながら、日本の株式市場では、均等ウェイトの考え方を導入するのは必ずしも容易ではない。流動性が比較的低い中小型株を均等に組み入れることは難しく、リバランスのコストも高くなるからだ。新興国株でも同様に、均等ウェイトの導入はハードルが高い。
そうした中、2024年3月に登場したのが「読売日本株価指数333」、通称「読売333」である。読売新聞社が提供する指数で、「日本を代表する企業」を独自基準で選び、333銘柄を均等ウェイトで構成する。TOPIXのように時価総額上位に偏ることなく、幅広い銘柄の実力を反映しようとする試みである。現在は算出開始から間もないため、TOPIXなど既存指数との明確なパフォーマンス差は出ていないが、中小型株が見直される局面では存在感を発揮する可能性が高い。「均等ウェイトの日本株版」という視点で注目したい。
現在は、三菱UFJアセットマネジメントが、同指数への連動を目指す投資信託「eMAXIS Slim 国内株式(読売333)」とETF「MAXIS読売333日本株上場投信(348A)」を展開している。
等ウェイトは「真の分散効果」を求める投資家にとって一考の価値あり
MSCI ACWIをはじめとする時価総額加重型インデックスは、合理的かつシンプルで、今後も多くの投資家にとって中心的な存在であり続けるだろう。しかし、その「無難さ」の裏に潜む偏りを理解した上で、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて補完戦略を検討することが重要だ。
均等ウェイト型は万人向けではないが、真の意味での分散効果を求めたい中長期投資家にとっては、一考に値する戦略と言えるだろう。これからの時代、「分散」という言葉を表面的に捉えるのではなく、その内実を考え抜くことこそが、投資家としての成熟度を高めるカギとなるはずだ。