均等ウェイトという逆張り的アプローチ
こうした偏りを抑える1つの選択肢が「均等ウェイト型」のインデックスである。均等ウェイトとは、構成銘柄をすべて同じ比率で組み入れる方式で、S&P500の場合、各銘柄を0.2%ずつ保有するイメージだ。これにより、時価総額の大小に左右されず、より中小型株の成長や出遅れ銘柄の巻き返しを捉えやすくなる。
また、均等ウェイトでは定期的にリバランスを行うため、高騰した銘柄を売り、割安な銘柄を買い増す「バリュー効果」も期待できる。これらは投資家にとって「逆張り的」な要素を含んでおり、長期的な視点ではポートフォリオ全体のリスク分散を強化する一手となりうる。

この戦略をいち早く商品化し、広めてきたのが米国のインベスコだ。日本では近年「世界のベスト」シリーズが人気を集めているが、本国ではETFを中心に均等ウェイト戦略の商品群を数多く展開している。代表的な「インベスコS&P500イコール・ウェイトETF」(ティッカーシンボル:RSP)は2003年に設定され、均等ウェートETFの草分け的存在とされる。2024年5月には、「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」(愛称:均等力)の名称で公募投資信託も設定されており、ネット証券を中心に購入が可能となっている。
また米国では、セクター別の均等ウェイトETFシリーズも展開されており、特定の業種偏重を抑えたい投資家にとって有力な選択肢となっている。さらに欧州では、MSCI ワールドをベースにした均等均等ウェイト型ETFなど、新たな世界分散戦略が続々と登場している。