◆関税や中東情勢で様子見の中で強い「ゴールド」
常陽銀行の売れ筋で上位にランクされる「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)」は、世界各国の株式の中から主にロボティクス関連企業の株式に投資を行うファンドで、先進国の少子高齢化による労働力不足や新興国の生産性向上のためなどに必要とされるロボットの成長や発展をテーマにした株式ファンドだ。ロボットを動かすうえで不可欠なAIの関連企業も投資対象に含まれている。ロボット関連産業の成長は中長期に続くものと考えられ、関連企業の成長も期待できる。ただ、足元の市場環境は、米国の関税政策やイランとの戦闘開始などによって、米国の物価や金利、そして、景気がどのようになるのか予測がつかない。このため、ファンドの基準価額は4月の急落時よりも戻ってきたものの、その水準でもみ合って様子見になっている。
「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)」にみられるような「逡巡(しゅんじゅん)」は「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」にも見て取れる。
一方、「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は、株式ファンドの逡巡を横目に着実に基準価額が上昇を続けている。既に、年初からの上昇率は18%を超えた。金(ゴールド)価格に連動する運用をめざす同ファンドは、米国経済が今後、どのような状態になろうとも、それが投資資産であるゴールドの価値を左右するような要因にはならないという「ゴールドの絶対的な価値」が投資の手掛かりになっているためだろう。株式ファンドの逡巡をしり目に当面の注目を集める存在になりそうだ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩