◆上昇力で注目される「ROBO」と「純金」

中国銀行の売れ筋で第2位の「ROBOPROファンド」は、AIの予測に基づいて毎月資産配分比率を大胆に見直しながら運用するファンドだ。投資資産は「米国株式」「先進国株式」「新興国株式」「米国債券」「ハイイールド債券」「新興国債券」「不動産」「金」の8資産。6月11日に実施したリバランスで「米国株式」の組入比率を39.5%から27.4%に変更し(12.1%ポイント低下)、「新興国株式」を7.4%から16.0%に増やし、「不動産」も8.2%から22.5%、「金」を5.4%から7.9%に増やした。グローバルに分散投資し、毎月リバランスをしながらバランスよく資産を増やしていこうとしている。年初からの基準価額の騰落率はプラス5%程度になってきた。

第5位になった「三菱UFJ純金ファンド」は、その名前のとおり「純金」の値動きに連動するパフォーマンスをめざすファンドだ。同ファンドでは連動をめざす金価格として大阪取引所における金1グラムあたりの先物価格をもとに現在価値として算出した理論価格を用いている。年初から一貫して上昇トレンドを続けていて、年初からの基準価額の騰落率はプラス18%強の水準にまで上昇してきた。

「ROBOPROファンド」でも金の組み入れ比率をポートフォリオの8%程度にまで高めているように、これまでは株式とは異なる値動きをするということで「緩衝材」のような使われ方で、ごく少数の金を資産の一部として持つということが機関投資家の間で行われてきたが、ここ数年の大きな値上がりによって「金」を「株式」「債券」「不動産」などと並ぶ主要な投資資産の1つとしてみる動きが強まっている。ちなみに、「三菱UFJ純金ファンド」のトータルリターンは、2025年5月末時点で1年が18.10%、3年が92.75%、5年が142.04%になっている。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩