契約期間が満了すると、どんな選択肢があるのか
たとえば5年間の契約期間が満了した時点で、残価設定クレジットの契約者には3つの選択肢があります。それは、
①車を返却する
②車を買い取る
③新しい車に乗り換える
というものです。
しかし、この3つの選択肢がスムーズに行われるためには、あらかじめ販売店との間で決められた条件をクリアしなければなりません。具体的には、車両の内外装に傷やへこみ、修復しにくい汚れや匂いの付着の有無、そして走行距離によって、残価に比べて査定額が減額されるケースがあるのです。
では、残価が200万円で設定された車の契約期間が満了し、販売店で査定してもらったところ、査定額が150万円だったとしましょう。
この場合、①の返却に際しては、残価の200万円と査定額の150万円の差額に相当する50万円を、一括で支払わなければなりません。
次に、②の買い取る場合は、もともと設定された残額の200万円を、一括で支払うことになります。もちろん、その買い取る資金もローンを組むことはできますが、それでは最初から普通の自動車ローンを組んで買うのと同じことになります。残価設定ローンの金利は、通常の自動車ローンの金利に比べて高めに設定されるケースが多いため、わざわざ残価設定クレジットを組むメリットが、どこにもありません。
そして③の場合も、残価200万円を前提にした乗り換えになるため、同じ販売店で扱っている車に乗り換えるなら多少の優遇はあるかも知れませんが、査定額が減額された分だけ乗り換えの条件が悪くなり、乗り換えの度にグレードダウンしていくことも考えられます。さらに言えば、同じ販売店が扱っている車への乗り換えは容易ですが、全く違うメーカーの車種、違う販売店系列が扱う車種への乗り換えも、かなり条件が厳しくなるかもしれません。