◆「S&P500」とは一線を画す「世界のベスト」

売れ筋の第8位にランクインした「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(愛称:世界のベスト)」は、文字通り世界の株式の中から「ベスト」を選んで厳選投資するファンドだ。投資対象を世界の市場に求めているため、米「S&P500」の投資銘柄とは大きく異なるポートフォリオになっている。

たとえば、2025年2月末時点の組み入れ上位10銘柄は、「S&P500」が「アップル」「エヌビディア」「マイクロソフト」「アマゾン」「メタ・プラットフォームズ」「アルファベット(A)」「ブロードコム」「バークシャーハサウェイ」「アルファベット(C)」「テスラ」というおなじみの「マグニフィセント・セブン」を中心にした銘柄群であることに対し、「世界のベスト」では「3i」「ロールス・ロイス」「カナディアン・パシフィック・カンザス・シティ」「マイクロソフト」「コカ・コーラ・ユーロパシフィック」「テキサス・インスツルメンツ」「AIA」「ユナイテッドヘルス」「ノボ・ノルディスク」「スタンダードチャータード」となっている。トップ10で重なっているのは「マイクロソフト」だけだ。

組み入れ銘柄数は43銘柄であり、「厳選投資」、かつ、投資している業種も「金融」「資本財・サービス」「ヘルスケア」「情報技術」「生活必需品」など幅広い業種に分散しているという特徴がある。

トランプ関税についても、4月4日に発表した臨時リポートで「今後の関税動向がどのように展開するかを予測することは不可能であり、対策には不確実性が多すぎるため、運用チームでは、そのような予想に基づくポートフォリオの構築は避けたい」と冷静に対処している。「引き続き、どのような環境でも安定的なパフォーマンスを発揮できるポートフォリオの構築を目指す」とし、「今後もキャッシュフロー創出力や配当成長率が高く、堅固な財務基盤を持ち、長期的視点から見たバリュエーションが魅力的な企業へ投資を行う」と表明している。不透明感が強まっている株式市場で思い悩む投資家が増えているだけに、きめ細かな情報提供を継続的に行っている姿勢が、頼もしく感じられるのだろう。

執筆/ライター・記者 徳永 浩