三菱アセット・ブレインズがまとめた2025年3月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の新規設定ファンド数は37本と前月(24本)から増加したが、設定総額は約430億円と前月(約1080億円)から減少した。新規設定額ランキング(設定額は設定日の純資産額)のトップは、ニッセイアセットマネジメントの「ニッセイ・円建てグローバル社債/バランスファンド2025-03」で約103億円だった。同ファンドも含め、単位型・限定追加型のシリーズ商品の新規設定が目立った。三菱アセット・ブレインズは「設定額の上位3ファンドは、いずれも同シリーズの前回設定分と同水準か、それ以上の資金を集めた。特に、3位の『One円建て債券ファンドⅣ2025-03 』(AM-One)は同シリーズ17本目の設定であり、根強い人気が伺える」としている。
◆金利上昇で国内債券を対象とした単位型ファンドの利回り向上
3月は単位型・限定追加型のシリーズ商品の新規設定が目立った。主に、信託期間以内に償還される債券に投資して償還まで持ち切る運用を行うが、三菱アセット・ブレインズでは国内債券で構成される「円建て債券ファンド」の利回り水準が上がってきていることに注目している。One円建て債券ファンドシリーズは、2020年11月に設定された1本目のポートフォリオ構築時の平均最終利回りが年率1.08%であったのに対し、今回設定された17本目の想定平均最終利回りは年率1.65%となり、その利回りは第1回設定時を大きく上回っている。
今後、国内金利の上昇に伴い、魅力的な利回りをうたう限定追加型の円建て債券ファンドの組成が増加する可能性がある。三菱アセット・ブレインズは、「これまでの国内金利が低位な環境では、為替ヘッジ付きの外貨建債券で持ち切り運用を行うタイプのファンドが人気を集めたが、今後は円建て債券ファンドへの関心が高まることが想定される」と注目している。