20年前の今頃…

今から20年前の2004年10月、新潟県中越地方で震度7を記録する地震があり、死者68人、重軽傷者4700人余りを出した。この年、5月に小泉純一郎首相(当時)が2度目の北朝鮮訪問を行い、拉致被害者であった蓮池薫さん、地村保志さんらとともに帰国した。また、7月には三菱東京フィナンシャル・グループとUFJホールディングスが合意し、2005年10月に経営統合して世界最大の金融グループが発足すると発表した。また、国内のプロ野球はオリックスと近鉄の合併に端を発した再編問題で大揺れし、楽天が新規参入した他、ダイエーがソフトバンクに代わった。

この頃、株式市場は企業業績の好調を受けて活況だった。特に米国株価は好調で、2000年のITバブル崩壊を受けて2001年に前年比マイナス13.4%だった米国S&P500の1株当たり利益成長率が、2002年にプラス2.1%、2003年はプラス12.5%と徐々に加速し、2004年はプラス23.7%と大幅な増益を記録した。このような過熱気味の景気の熱を冷ますため、米FRBは2004年6月から利上げに転じ、2006年6月まで小刻みな利上げを2年間にわたって続ける。この間、株価は緩やかな上昇を続けることになった。ところが、2008年に100年に1度といわれる大ショックに見舞われた。

そんな20年前に「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(愛称:世界のベスト)」に投資したとしたら、今頃はいくらになっているだろうか?

「世界のベスト」とは?

「世界のベスト」は、愛称の通りに、世界の上場企業(新興国市場を除く)から、「ベスト」と言える企業を厳選して投資するファンドだ。選定基準は、「成長」と「配当」と「割安」という3点。ビジネスに高い競争優位性を持ち財務内容も健全で景気に左右されることなく継続的に高い成長が期待できる企業を選び出し、同社が分析した本質的価値よりも株価が割安な水準にある企業に投資する。その際に、継続的に配当を実施する余力があり、増配等の可能性のある企業に着目するようにしている。

一般的に、企業の成長に着目すると、株価が割高な水準に買い上げられているケースが多いが、その中で長期的な目線で判断して割安にあると考えられる銘柄を厳選することによって、その時々の市場が「グロース株(成長株)相場」でも「バリュー株(割安株)相場」でも市場環境にかかわらず、全天候型で安定的に収益があげられる運用をめざしている。銘柄を絞り込む要素の1つとして「配当」に着目しているため、インカム収益の積み上げも期待され毎月決算で分配金を払い出す運用にも対応可能だったのだろう。

同ファンドは、1999年1月の設定だが、2016年12月までは年2回決算で分配金を出していた。それが、2017年1月以降に毎月決算型に変わった。そして、1万口当たり毎月150円の分配金を出し、その高い分配金が注目されて純資産残高が大きくなっていった。