10年前の今頃…

10年前の2014年9月、長野と岐阜の県境にある御嶽山が噴火し、逃げ遅れた登山客に噴石が直撃するなどして57人が死亡、6人が行方不明になった戦後最大の火山災害が起きた。その2014年は、1月に「多様な細胞に変わる能力を持つ万脳細胞」という「STAP細胞」の作製に成功したというニュースが駆け巡り、その研究の責任者であった小保方晴子氏から大きく取り上げられた。その後、その研究成果に対する疑義が浮上し、英科学雑誌ネイチャーは7月に論文撤回を発表。小保方氏は検証実験でSTAP細胞の再現をめざすも実現せず、12月に理化学研究所を退所した。

2014年の株式市場はトルコやアルゼンチンの通貨安をきっかけとした新興国への警戒が台頭し、クリミア半島を巡るロシアとウクライナ情勢の緊迫化もあって年初に1万6000円台で始まった日経平均株価は5月に1万4000円台に下落。その後、10月に日銀のサプライズ金融緩和もあって株価は年末に向けて上昇し、日経平均は1万8000円近辺まで上昇した。2012年12月にスタートした「アベノミクス」相場の延長線上にあり、2013年4月からの「黒田バズーカ」といわれた「異次元の金融緩和策」が日本の株価の上昇を促していた時期にあたる。

そんな10年前に「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信・Dコース(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」に投資したとしたら、今頃はいくらになっているだろうか?

「米国成長株投信」とは?

「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」は、米国株式を投資ユニバースとし、そこから、グロース特性(成長株の性格)のある魅力的な銘柄群をスクリーニングにより選別する投資信託だ。アライアンス・バーンスタインのアナリストによる綿密なファンダメンタルズ・リサーチを参考に、米国大型株運用チームが、ファンダメンタルズ分析の確信度やリスク特性などを考慮して有望と判断される50~70銘柄を選び抜いてポートフォリオを構築する。米国を代表する成長株投資戦略の1つといえる。

年2回決算で為替ヘッジあり「Aコース」と為替ヘッジなし「Bコース」が2006年5月に設定され、2014年9月に毎月決算で予想分配金提示型の為替ヘッジあり「Cコース」と為替ヘッジなし「Dコース」が設定された。そして、隔月(偶数月)決算型で予想分配金提示型の為替ヘッジなし「Eコース」が2023年10月に設定されている。

予想分配金提示型は、毎決算時(CコースとDコースでは毎月15日)の前営業日の基準価額の水準によって分配金額をあらかじめ決めている。1万1000円未満の場合は「基準価額の水準等を勘案して決定」となっているがおおむね「0円」。1万1000円~1万2000円未満の場合は「200円」、1万2000円~1万3000円未満では「300円」、1万3000円~1万4000円未満では「400円」、1万4000円以上では「500円」になっている。

「Dコース」は設定日から2024年9月まで120回の決算を行ってきたが、分配金額が「0円」が26回、「100円」が29回、「200円」が49回、「300円」が13回、「400円」が3回を実施してきている。78%の確率で分配を実施しているということは、月次で前月を基準価額が上昇していたということになるので、安定的な右肩上がりの運用成績を残してきたということになる。