自身に合った選択を無理のない範囲で行うことが大切
より詳しく見ると年代別で異なる傾向が浮かび上がる。20代以下の男性では「将来・老後の生活資金」を挙げた割合が31.4%と全体平均を大きく下回る一方、「資産形成自体が目的」47.7%や「将来の不測の事態への備え」27.0%が高い割合を示した。
女性の20代以下でも同様の傾向が見られ、「将来・老後の生活資金」38.8%よりも「資産形成自体が目的」40.7%の方が若干高い。これらの結果から、若年層は具体的な老後の生活よりも、漠然とした将来への不安や資産形成そのものに興味を持って投資を始めている可能性がある。
一方40代以上になると、「将来・老後の生活資金」を挙げる割合が急激に上昇する。例えば、男性は40代で53.7%、50代61.5%、60代63.1%、女性は40代で60.5%、50代65.0%、60代61.5%と高い割合を示す。この年代では、老後が現実的な問題として意識され始め、具体的な資金準備の必要性を感じていると推測される。
70代では「将来・老後の生活資金」の割合が低下、男女ともに50%を下回っている。代わりに「特に動機・目的はない」の割合が他の年代よりも高くなっている。これは、すでに退職後の生活に入っている人が増えているためかもしれない。
全体的に見ると、男性の方が「資産形成自体が目的」とする割合が高く(男性50.6%、女性42.3%)、女性の方が「将来・老後の生活資金」を目的とする割合が高い(男性50.1%、女性54.5%)。
新NISAの成長投資枠の利用動機や目的は年代や性別によって異なる傾向にあることが明らかになった。自身に合った選択を無理のない範囲で行うことが大切だ。
調査概要:「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」 調査主体:日本証券業協会 調査対象:2024年に新NISAで金融商品を購入した7610人 調査時期:2025年1月 調査方法:インターネット調査